スコットランドのサーモン養殖業では、米国食品医薬品局(FDA)が承認していない抗菌薬の使用が認められています。しかし、米国に輸入されたサーモンがこうした薬剤について検査されることはほとんどないと、センティエント・メディア(Sentient Media)が報じています。
スコットランドで使用が認められている抗菌薬には、フルメキンやオキソリン酸など、FDAの規則で承認されていないものが含まれています。両国の規制に違いがあるにもかかわらず、こうした薬剤についてFDAが検査する割合は、1,000件に1件にすぎません。また、米国当局の監査では、FDAによる輸入規制後の確認や対応も十分に行われていないことが指摘されています。
サーモン養殖における抗菌薬の過剰使用は、薬剤耐性への懸念を引き起こしており、世界保健機関(WHO)は、薬剤耐性が毎年、世界で数百万人の死亡に関連しているとしています。
英国の大学連携による博士課程研究プログラムの研究員で、アニマル・イクオリティ(Animal Equality)とアクアカルチャー・アカウンタビリティ・プロジェクト(Aquaculture Accountability Project)の養殖業に関する調査を主導したマーク・ボースウィック氏は、次のように述べています。
もし私がこのサーモンを食べていたら、不安を感じるでしょう。……米国の輸入制度では、FDAが定めた検査・確認の基準が守られないケースが95%にのぼっており、食品安全対策の進捗を追跡する内部システムも整備されていません。この制度は信頼を前提としていますが、そこには根本的な欠陥があり、さまざまな偏りや見落としがあります。
業界団体サーモン・スコットランド(Salmon Scotland)は、加盟事業者が米国で未承認の抗菌薬を使用することはないと主張しています。しかし同団体は、2024年の業界全体の抗菌薬使用量として報告した数字が、実際の量より66%も少なかったことを認めました。
米国では、国内の養殖業における抗菌薬使用量の年間統計も公表されていません。FDAによれば、輸入時に実際の検査対象となるのは、輸入業者の過去の違反歴などをもとに、リスクが高いと判定された貨物だけです。
Original article in English by Jordi Casamitjana / Japanese version by Yuko Kubo.







