2020~2024年、世界の開発金融機関が工場式畜産に130億ドルを提供 — 小規模・非工業的な畜産事業への提供額は90億ドル

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小規模・非工業的な畜産事業への
提供額は90億ドル

貧困の削減や食料安全保障、持続可能な開発を支援するはずの開発金融機関が、小規模な生産者よりも、大規模な工場式畜産に多くの資金を提供していることが、新たな政策概要で示されました。

世界銀行や国際金融公社、欧州投資銀行など、世界の16の開発金融機関が2020年から2024年までに工場式畜産事業に提供した資金は、約130億ドルに上ります。一方、小規模・非工業的な畜産事業への資金提供は約90億ドルでした。

このほか、畜産業に提供された約70億ドルについては、公開されている情報が限られているため、工業的か非工業的かを分類できませんでした。

今回の調査は、開発金融機関が、小規模生産者よりも大規模で商業志向の強い畜産事業を優先している可能性を示しています。工場式畜産が環境汚染や気候変動、動物の苦しみ、地域住民の健康や生活に及ぼす影響を考えれば、こうした資金提供は、開発金融機関が掲げる貧困削減、食料安全保障、気候変動対策などの目標と矛盾すると、報告書は指摘しています。

政策概要の共著者で、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)のメルーシュ・タク准教授(経済学)は、開発金融機関が工業的畜産事業に資金を提供する傾向は以前から知られていたものの、その規模が数値化されたのは今回が初めてだと述べています。

また、開発資金が企業の事業拡大を間接的に支えている可能性も指摘しています。

その一例が、グアテマラの食品企業CMIアリメントスです。同社は2018年以降、米州開発銀行グループ傘下のIDBインベストから、7億2,500万ドルの資金提供を受けています。その一方で、米国で展開するファストフードチェーン「ポヨ・カンペーロ」を100店舗以上に拡大し、今後5年間で250店舗に増やすことを目指しています。

共著者で、インターナショナル・アカウンタビリティ・プロジェクトの研究員、アレッサンドロ・ラマゾッティ氏は、開発金融機関からの資金そのものは使途が限定されていると考えられるものの、その資金によって余裕のできた別の資金を、同社が米国事業に再投資できるようになると説明しています。

こうした資金提供が行われているにもかかわらず、グアテマラを含む中米地域では、依然として人口の15~35%が食料不安に直面しています。

CMIアリメントスの集約型養鶏場の近くには、約65世帯からなる先住民シンカのコミュニティがあります。住民たちは、養鶏場が汚染と疾病をもたらしたと訴えています。

ラマゾッティ氏は、住民がある日突然、家のすぐ隣に大規模な養鶏場が建設されると告げられ、拒否することもできなかったと説明しています。

今回の政策概要は、開発事業の影響を受ける地域住民を支援し、金融機関や企業に説明責任を求めるインターナショナル・アカウンタビリティ・プロジェクトと、工業的畜産の影響を研究する学術関係者や市民社会で構成される「工業的畜産システム批判研究ネットワーク」が作成しました。


Original article in English by Jordi Casamitjana / Japanese version by Yuko Kubo. 

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