わずか1か月間ヴィーガン食を続けることで、炎症の軽減や生物学的老化の減速に関連する変化が体内に現れることが、新たな研究*で明らかになりました。
この研究は、カリフォルニア大学サンディエゴ校とドイツのフライブルク大学の研究者らによるもので、2026年8月3日、学術誌『MedComm』に発表されました。
研究には、健康な成人48人が参加しました。全員がまず1週間、同じ内容の食事をとった後、ヴィーガン食をとるグループと、肉を多く含む食事をとるグループに無作為に分けられ、それぞれの食事を4週間続けました。
両グループの摂取カロリーはほぼ同じになるよう設定され、食事内容の違いが体に与える影響が比較されました。研究者らは、食事を変える前と後に採取した血液を分析し、遺伝子の働きを調節する体内の仕組みに、どのような変化が現れるかを調べました。
その結果、ヴィーガン食をとったグループでは、免疫系が炎症を起こしにくい状態へ変化したことを示す結果が得られました。また、細胞の増殖や脂質の代謝にかかわる働きが抑えられ、血糖値の調節やDNAの修復にかかわる働きが高まったことを示す変化も確認されました。
さらに、健康状態と関係する生物学的な老化の進み方を測る2種類の指標では、ヴィーガン食をとったグループで、老化の進行が遅くなったことを示す結果が得られました。
カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の神経科学准教授で、この研究の共同上席著者であるジェローム・マーテンス博士は、次のように述べています。
私たちの体の状態を決めるのは、生まれ持った遺伝子だけではありません。この研究で注目すべきなのは、わずか4週間で、遺伝子の働きを調節する仕組みに測定可能な変化が現れたことです。私たちの体は一般に考えられている以上に変化し、日々の選択に反応していることが示されました。
遺伝子に関するデータから予測された免疫細胞の変化は、実際の血液検査の結果とも一致しました。研究の筆頭著者、ルーカス・カーバッハー氏は「この一致により、私たちが見ていたのは単なる計算上の結果ではなく、体内で実際に生じた意味のある変化だとわかりました」と語っています。
フライブルク大学医療センターの医師で、この研究の共同上席著者であるマックス・ストルツ博士は、次のように述べています。
今回の研究は、食事が分子レベルで体の仕組みに影響を与え得ることを示す、これまでの研究成果をさらに裏づけるものです。次の課題は、こうした変化が長期的に持続するのか、そして実際に長期的な健康の改善につながるのかを明らかにすることです。そのためには、より大規模な臨床研究が必要ですが、今回の結果は重要な基礎となります。
*A Vegan Diet Epigenetically Modulates Inflammatory Pathways and Biological Aging: Genome-Wide DNA Methylation Analysis of a One-Month Isocaloric Vegan Versus Meat-Rich Dietary Intervention. MedComm. 3 August 2026
Original article in English by Jordi Casamitjana / Japanese version by Yuko Kubo.







