プラントベースの食生活への移行で「懐かしさ」が障壁に — インタビュー研究で見えた背景

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スコットランドのスターリング大学が主導した研究*で、食にまつわる懐かしさや家族の伝統への愛着が、ヴィーガンの食生活への移行を難しくする背景として浮かび上がりました。参加者が動物性食品を使った料理に感じる愛着は、動物由来の食材そのものよりも、味や香り、家族との思い出に結びついていました。

研究者らは、肉を食べる人を対象に、食に関する考え方や記憶について詳しくインタビューし、回答に共通するテーマを分析しました。

インタビューでは、食の記憶や文化的に重要な集まりへの愛着が、ヴィーガンの食生活への移行の障壁として語られました。そして、その愛着は、特定の食べ物よりも、人とともに過ごした経験に強く結びついていたといいます。ヴィーガンの食生活に移行したらどうなるかを考えてみた後は、参加者の大半が、その移行を前向きに捉えていました。

研究を主導したスターリング大学自然科学部のアガ・コスラ氏は、次のように述べています。

今回の研究は、食生活を変えることが、単に実用面や栄養面の問題ではないことを示しています。食は、自分が何者であるかという感覚や、人とのつながり、家族との暮らしに結びついています。そのため、ヴィーガニズムを広める活動や、公衆衛生に関する情報発信では、こうした感情的・文化的な結びつきを踏まえる必要があります。

この研究から、プラントベースの食生活への抵抗感は、単に味や利便性の問題ではなく、過去とのつながりを保ち、大切な伝統を守ろうとする気持ちにも関係していることが分かります。興味深いことに、参加者は、本当に大切なのは特定の食材ではなく、誰かとともに過ごす経験なのだと気づくことがよくありました。

参加者の話からは、家族と食事をする場面では食習慣を変えることが難しく感じられる一方、友人は家族よりもその変更を受け入れてくれる傾向が見られました。

コスラ氏の研究を指導した心理学者で、自身もヴィーガンとして暮らすキャロル・ジャスパー博士は、次のように語っています。

懐かしい料理や文化的に重要な料理をヴィーガンの食材で再現できれば、食生活を変えることへの抵抗感が和らぎ、家族との関係で生じる障壁を下げることにもつながります。

* Looking Back and Feeding Forward: An Analysis of Food Nostalgia on Meat Eaters’ Attitudes Toward Transitioning to a Vegan Lifestyle. Psychology of Human-Animal Intergroup Relations. 2026年7月掲載。


Original article in English by Jordi Casamitjana / Japanese version by Yuko Kubo. 

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