アイスランド政府は、商業捕鯨の恒久的な禁止につながる法案を、2027年2月に提出する予定です。禁止が実現すれば、商業捕鯨を認める国は日本とノルウェーの2か国だけになります。
今回の法案の提出予定は、アイスランド政府のウェブサイトで発表されたものです。同国のハンナ・カトリン・フリードリクスドッティル産業相は、捕鯨に関する法律が時代遅れであると指摘し、捕鯨の廃止を支持する姿勢を示しています。
アイスランドの捕鯨には、政府の委託で作成された報告書が2023年に公表されて以来、厳しい目が向けられています。報告書では、銛(もり)を撃ち込まれたナガスクジラが死に至るまでに、最長で2時間かかっていたことが明らかになりました。これを受け、同年にはナガスクジラの捕獲が一時停止されました。
ヒューメイン・ワールド・フォー・アニマルズ(HWA)のウェンディ・ヒギンズ氏は、英紙ガーディアンに次のように語っています。
商業捕鯨を禁止する法案には、政界からも市民からも大きな支持が寄せられています。倫理、獣医学、法律、自然保護のいずれの観点からも、成立を願う十分な理由があります。アイスランドの海域では、必要とされていない産業のために、クジラが爆発銛(体内で爆発する銛)によって命を奪われています。その一頭一頭の死が悲劇です。これを止める法律の一刻も早い成立を望みます。
現在、アイスランドに唯一残る捕鯨会社フヴァルル(Hvalur)には、2029年まで有効な捕鯨許可が与えられています。そのため、それまでは捕鯨が続く見込みです。
HWAによると、今年は捕鯨が開始された6月から9月8日までに、アイスランドの海域で80頭のナガスクジラが命を奪われました。ナガスクジラの今年の捕獲枠は最大150頭に設定されています。
ナガスクジラは、シロナガスクジラに次いで地球上で2番目に大きな動物です。クジラの保護と個体数の回復を図るため、国際捕鯨委員会(IWC)は1986年に商業捕鯨の一時停止措置を導入しました。しかし、ナガスクジラは現在も絶滅の危険があり、国際自然保護連合(IUCN)は「危急種」に分類しています。
国際動物福祉基金(IFAW)の海洋保全担当ディレクター、シャロン・リヴァモア氏は、今回の法改正について次のように述べています。
アイスランドが捕鯨に関する法律を見直す提案は、海洋保全と動物福祉に向けた画期的な一歩となるでしょう。健全な海に大きく依存するこの国にとっては、なおさらです。
アイスランドは当初、IWCの一時停止措置に従って商業捕鯨を停止しました。その後、IWCを脱退し、2002年に同措置には拘束されないという条件を付けて再加盟し、2006年に商業捕鯨を再開しました。今回の法案は、その捕鯨に終止符を打つことにつながるものです。
ノルウェーは同措置に異議を申し立て、適用を受けていませんでしたが、クジラの個体数について、より確かな評価を得るため、自国の判断で商業捕鯨を休止しました。その後、新たな評価に基づき、1993年に再開しています。
日本は同措置に従って商業捕鯨を停止したのち、2019年にIWCを脱退し、同措置に拘束されなくなったことで商業捕鯨を再開しています。
Original article in English by Jordi Casamitjana / Japanese version by Yuko Kubo.







