米国の男性で、牛乳などの乳製品の摂取が前立腺がんのリスクを高める可能性を知っていた人はわずか20%であることが、責任ある医療のための医師委員会(PCRM)の調査*でわかりました。これまでの研究では、乳製品の摂取量が多い男性ほど、前立腺がんの発症や死亡のリスクが高いという関連が報告されています。一方、植物性食品を多く食べることと、発症や進行、再発のリスクが低いこととの関連も示されています。
米国男性への調査で、情報不足が明らかに
この調査は、責任ある医療のための医師委員会(Physicians Committee for Responsible Medicine:PCRM)の委託を受け、調査会社モーニング・コンサルト(Morning Consult)が実施したものです。
それによると、牛乳などの乳製品の摂取が前立腺がんのリスクを高める可能性を知っていた男性は、調査対象1,102人のうち20%で、食事と前立腺がんのリスクの関係について、医療従事者から情報を得たことがある人も20%にとどまりました。
乳製品とリスクの関係を知らされた後では、回答者の66%が、乳製品を避ける可能性が高いと答えました。また、76%が、乳製品に警告表示を付けることに賛成すると回答しました。
PCRMの栄養教育コーディネーター、ノア・プラームズマ氏は[次のように述べています。
医師をはじめとする医療従事者は、乳製品の摂取が前立腺がんのリスクを高める可能性や、植物性の食事がその予防などに役立つ可能性について、さらに学ぶ必要があります。(中略)明るい材料は、調査に参加した男性の大半が、果物、野菜、穀物、豆類を食べることが前立腺がんの予防に役立つと知っていたことです。また、研究では、完全に植物性の食事が最も有益であることが示されています。
これまでの研究が示す、食事と前立腺がんの関係
乳製品の摂取と前立腺がんのリスクとの関連は、これまでの複数の研究で報告されています。
32件の研究を統合したメタ分析では、牛乳やチーズなどの乳製品の摂取量が多いことと、前立腺がんのリスクが高いこととの関連が示されました。
また、無脂肪乳または低脂肪乳を1日1食分以上摂取していた男性は、ほとんど飲まない男性に比べて、前立腺がんのリスクが19%高くなっていました。
男性3,612人を対象に、約10年間にわたって前立腺がんの発症状況を調べた研究では、低脂肪乳製品の摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループに比べて、発症するリスクが2倍を超えていました。
さらに、参加者70万人を超える11件の研究を統合したメタ分析では、全乳(乳脂肪を減らしていない牛乳)の摂取量が最も多い男性は、最も少ない男性に比べて、前立腺がんで死亡するリスクが最大50%高いことが示されました。
一方、植物性の食事についても研究結果が報告されています。動物性食品を摂取しない男性は、肉や魚を食べていた男性に比べて、前立腺がんのリスクが35%低くなっており、また、前立腺がんの男性2,000人以上を対象とした研究では、植物性食品の摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループに比べて、がんが進行するリスクが56%、再発するリスクが59%低くなっていました。
* Prostate Cancer & Nutrition Survey.
Original article in English by Varun Virlan / Japanese version by Yuko Kubo.







