国際的なアニマルライツ団体アニマナチュラリス(スペイン語圏で活動)と動物福祉監視機関による調査で、イベリア半島における食肉用ニワトリの飼育現場における深刻な動物福祉上の問題が明らかになりました。
調査では、業界全体に広がる構造的な苦痛を示す画像やデータが公開されています。
フォトジャーナリストのアイトール・ガルメンディア氏が、スペインのカタルーニャ州およびカスティーリャ=ラ・マンチャ州にある5カ所の養鶏場で撮影した写真には、多数のニワトリが過密状態で飼育され、自らの排泄物に囲まれている様子や、傷や身体の変形を抱えている個体が記録されていました。
調査では、こうした状況の背景として集約的畜産の手法、とりわけ急速成長型の肉用鶏品種の問題が指摘されています。この品種はスペインの鶏肉生産のおよそ80%を占めています。
報告書では、ニワトリの自然な成長の限界を超える速度で育てられ、農場を出る前から筋肉障害や心血管系の疾患が発症している例が指摘されています。また排泄物が蓄積した床面に常時接触し、半数を超えるニワトリが跛行(はこう)や脚に損傷を抱えている証拠が示されていました。
アニマナチュラリスの代表であるアイーダ・ガスコン氏は、スペイン紙『エル・プブリコ』に対し次のように述べています。
「目にした光景は非常に悲惨なものでした。食肉用に遺伝的に選抜された結果、歩くことができず、心不全に苦しむニワトリもいます。問題は、これらが例外的な事例ではないということです。農業省のデータによれば、このような生産方式が国内の農場の80%で行われています」
報告書は、産業の規模にも言及しています。2025年にスペインでと殺されたニワトリは8億1,000万羽を超え、そのうち約5.6%にあたる4,100万羽が、と畜場へ送られる前に、農場内で死亡したと推定されています。
鶏肉生産は、動物たちの苦痛の上に成り立っており、そうした苦痛を日常的に生み出す産業構造は、これまでも繰り返し指摘されてきました。
動物利用産業の実態を記録し、公表する活動が、世界各地で続けられています。
Original article in English by Jordi Casamitjana / Japanese version by Yuko Kubo.







